故郷と祖父の命

投稿者:mikako|2012年1月31日14:21

今日はEVERGREENっぽくないと思われてしまいますがこれが現実ということを伝えたくて書こうとおもいました。

皆さんに大好きな場所や大切な場所ってありますか?

私には故郷がその「場所」です。

なんせ生まれてこの方「故郷」を離れたことがないんです。

だから「視野が狭い」と言われたこともあります。

唯一離れた時期は(自宅からでしたが)高校の時。

3年間いわき市まで通いました。

 

今日は私の祖父のお話をしたいと思います。

私の祖父は3月で86歳になります。

1945年、当時祖父は旧陸軍船舶通信隊に所属していました。

広島県に爆弾が落ちた夜に、焼け野原になった広島へ入り約1週間、遺体の処理に従事しました。

「入り市被爆」

小学生の頃、祖父に戦争の事を聞いてもきちんと教えてくれたことはありませんでした。

話したくなかったんでしょうねきっと。

祖父が被爆手帳を持っていた事は数年前から知ってはいましたが「被爆」について知識はまったくありませんでした。

最近になり、自分なりに当時の事を調べ色々知ることが出来ました。

 

祖父は畑仕事など毎日身体を動かしていないと気が済まない性格です。

それに頑固です。

そんな祖父も数年前から「酸素」がないとダメな身体になってしまいました。

「肺気腫」

発作が出ると自分でも歩けないくらいですが、頑固。

手を貸そうとしても「大丈夫」と・・。

今、祖父も両親と秋田県に避難しています。

祖父の体はもうボロボロです。

癌が見つかり、血管にはコブ。

もって1年。

祖父は言いました

「骨になって帰るんだろう」

と。

祖父はあの日から一度も自宅に帰っていません。

身体が長距離移動についていけないんです。

私達より故郷には思い入れはあると思います。

どうしてあんなに近かったみんながバラバラで居るんだろう。

おばあちゃんも、おじいちゃんも、両親も姉兄も・・

おばあちゃんの作った野菜、米が食べたいな・・

今でも考えてしまいます。

 

今、皆さんの大切な場所・・・

ずっと大切にしてください。

帰りたくても、お家に帰れない私たちのようにならないように、その目の前の大切な物を大事に大事にしてください。

生きている限り出会いや別れは必ずつきもの。

苦しくて、辛くて、涙で前が見えなくても、きっといつか笑って話せる時がくればいいなと思ってます。

コメント

“故郷と祖父の命” への4件のフィードバック

  1. torikky より:

    ん~深い。。。そんな人生の大先輩が築きあげた福島、日本をいつまでも大事にしたいですね。

    • mikako より:

      難しい事かもしれないけれど出来ることから・・なんでも始めたいですね!!

  2. Hide より:

    想い出はたくさんあってもいいけど…あなたの故郷はもうここだから。
    いっ~ぱい前を見て!負けんなよ!!

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