東京電力福島第1原発事故で福島県白河地方に避難した浪江町民のグループが17日、塙町であった農協の催しに郷土食の「なみえ焼そば」の店を出し、人気を集めた。
店を出したのは、白河市などに避難した浪江町民の有志約20人。テントの周りには、厚切りの豚バラ肉と大量のもやしを炒めるラードと、避難中の地元製めん所から仕入れた専用極太めんとソースの香りが漂い、午前10時の開店と同時に20人以上が行列を作った。
用意した700食は2時間半で完売。白河市に避難中の元原発作業員志賀勝明さん(64)は、大きなへらで一度に30人前を作り、「同じ町民とはいえ知らない人も多かったが、皆で力を合わせて一つのことに取り組むのもいいね」と笑った。
同じく白河市に避難した無職吉田紀子さん(71)は会計係を務め、来場者から多くの言葉を掛けられた。「前から食べてみたかったと言われ、参加して良かったと思った」としみじみ語った。
出店は、町民のつながりを維持し、避難先の住民と交流するのが狙い。今のところ個人の集まりだが、避難生活の長期化を想定し、近く任意団体をつくる方向で準備する。
ソース元:河北新報社